3DプリンターBonsaiLab BS01+のモータドライバ交換で失敗した原因を考える。

3DCG



先日の記事のように3DプリンターBONSAILAB BS01+の静音化のために
モータードライバーを交換したが、電流値設定を変化させ脱調確認を行ったところ
各動作速度全てで脱調しない電流値が見つからなかった。

でも、原因がハッキリわからないので
通常、駆動系設計時に計算するギア比などを現物から確認してモータの駆動周波数推定を
やってみようと思う。
っが、モーターから第1段目のプーリー間のテンションが強烈なのでこの部分の負荷って
実測しないとでないんだよなぁ。

大した構成じゃないから整理するのは簡単。

タイミングベルト歯形:S3M
プーリー歯数 ピッチ円直径
モータ軸 15 14.32
2段目 15 14.32

って事で、ギア比は1:1なので計算は簡単。

ノズルの移動速度を3000/5000/8000mm/minと仮定すると
秒速に換算し50mm/s,83.3mm/s,133.3mm/sとなる。

プーリーの1回転あたりのノズル移動量はL=14.32×π=44.99mm

前記のノズル移動速度で移動する場合のプーリーの秒あたりの回転数は
50mm/s=1.11回転/s,83.3mm/s=1.85回転/s,133.3mm/s=2.96回転/sとなる。

そして、使用しているモータの分解能は2相励磁駆動で1.8度なので200パルス/1回転
となるので各ノズル移動速度でのモータ速度パルス/sは

50mm/s=222パルス/s,83.3mm/s=370パルス/s,133.3mm/s=592パルス/sとなる。

ここで気付くはず。

50mm/sと83.3mm/sでは確実に自起動周波数なのでモータの加速は必要なく
目的のモータ速度(パルス/s)でいきなり駆動して問題ない。
※:2相励時での駆動時の速度を基準で考えている。

では、なぜ?駆動電流値をふっても使える電流値がないのか?
なんかおかしい。

わかっている原因は
・電流値を上げすぎると負荷が小さいのに大きすぎるトルクにより相ズレが発生し
脱調となる。
・電流値を下げすぎると負荷に対しトルクが小さく相ズレが発生し脱調となる。

今回の脱調は上記2つ以外に製品開発でも常に問題となるモータ自身の共振速度が
原因じゃないのかなぁって思う。
→自起動周波数だけど共振点の速度で動作して脱調
もしくは、停止時の保持励磁が弱く停止時に相ズレが発生し再起動時に脱調の
可能性もある。
ただ、この場合も保持励磁している相に引き込むために30msぐらい電流値を上げ
保持励磁をすれば問題なく駆動できる。
→保持励磁電流が小さかったりチョッピング制御で昇温を抑えたりしていると
停止位置が微妙にずれて再起動するときに相がズレていて脱調

 

モータの駆動速度的には自起動周波数と思われる速度で使っているので動作させやすい
駆動設計だと思うんだけどなぁ。

モータドライバーTMC2100の停止時の保持励磁の仕様ってどうなっているのか
知りたいなぁ。

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