ドローンのプロペラダクトの影響を考えてみよう。
Whoop機などのプロペラダクトがある機体の運動性能が低いのがずーっと気になっていた。
特にダクト高さが高い機体は’運動性能がガクンと落ちている。
なのでダクトの影響を流体解析を使い考えてみた。
- ダクトがある場合の気流への影響。
- ダクトがない場合の気流。
- ダクトの影響が小さくなる形状の場合の気流。
- 解析動画で各条件の気流の動きを確認。
って感じで考えてみようと思う。
1.ダクトがある場合の気流への影響。
Whoop機とは違い背が高いダクトが付いている機体を想定した流体解析をしてみた。
その時の圧力分と気流をプロペラセンターの断面でコンタ図として出力した。
気流で渦を巻いている場所は乱流なので損失が大きい。
なので渦を巻いている場所を確認してみた。
- プロペラ外周とダクトの隙間。
- ダクト周囲。(人の眼みたいなかんじのとこ)
- ダクト下方の中央付近。(人の鼻のようなとこ)

プロペラ外周とダクトの隙間は旋回流がダクトにぶつかりプロペラの上側に逆流している。
そして人の鼻みたいな部分はダクトの影響で中央部で上昇する気流が発生し渦となっているみたい。
もう1箇所はダクトがなくても周囲と速度差があるので渦になるはず。
ダクトがない場合の気流。
ダクトがなくプロペラだけの場合の解析結果は渦の数がダクトがあるときと違うことがわかる。
渦は2箇所あるけど周囲と速度差があるので発生するのは当たり前。
それよりも大きな差はプロペラの下側にオレンジ色の圧力が高い空間ができていること。
これが推力に大きな影響を与えているんだと思う。

つまり、ダクトは2種類の渦を発生させている。
- プロペラ外周とダクトの隙間。
- プロペラ下側の本来圧力が高くなる場所。
この渦が機体の運動性能に大きな影響を与えているんだと思う。
3.ダクトの影響が小さくなる形状の場合の気流。
ダクトがあるときの気流から推測すると
- ダクト上面はプロペラ上面になるべく近くする。
- ダクト下面はプロペラ下面になるべく近くする。
ってなる。
つまり、周囲の空気を効率良くプロペラで下方に移動させ
旋回流の外側がダクトに接触しないようにプロペラ下部は極力ダクトをなくすって事ね。

渦の中で運動性能に大きな影響を与えていると思われるプロペラ下部の中央付近の渦が消えた。
そしてその場余に圧力が高い緑色の部分が現れた。
つまり推力が大きくなったので運動性能が上がる。
素人な僕の考えではWhoop機のダクトをもっと薄くした形状が気流に大きな影響を与えないダクト
じゃないのかなって事になる。
つまりプロペラの上下面に合わせた高さのダクトにすると影響が小さくなる。
解析動画で各条件の気流の動きを確認。
ダクトがあるときの動画で驚くのは
ダクト下方周囲を龍のように細く渦を巻いた特徴的な流れがある。
これはダクトがなくなると大きな流れとなり細くて特徴的な流れではなくなる。
また、ダクトがある場合は下から吹き上がる気流があるのがよくわかる。
思った以上にダクトの影響は大きい。
影響が小さな形状にした場合でもダクトが無い場合との気流の差は非常に大きい。
やはり、ダクトは無いのが一番ってことですね。